ちょうどコロナ禍が始まり出したころに、私はさらに二冊の本を買っていた。
『マンガでわかる!東大式麻雀入門』シリーズである。
まだ最初の一冊『麻雀入門』すら頭に入っていないのに、もう次の本を買っている。
しかしこれが私の学習法。
一冊目はザルでほとんど頭に入っていなくても、同じジャンルで別の本を読み重ねていくうちに内容が頭に残っていく方式。
残りカスも溜まり続ければ満杯に近くなるじゃないか。
飽きっぽいADHDにはこのやり方が向いているのだという結論に至った。
その時に買った二冊は
『マンガでわかる!東大式麻雀 勝つ打ち方入門』と
『マンガでわかる!東大式麻雀 役の覚え方方入門』である。
このシリーズには、池田大学麻雀サークル「国士」のメンバーという設定で、北原さん・西郷くん・東次くん・南国さん・白鳥さんという五人のキャラクターが登場する。
白鳥さんだけは二冊目の『役の覚え方入門』から登場している。
描き手はつなこさんという人だが、『役の覚え方入門』から絵が凄く良くなっているので、元オタクとしてはキャラにもすっかり愛着が湧いてしまった。
しかしながら、短期記憶が弱くて物覚えが悪い私には、何事も最初の壁が厚くて高い。
本を読み始めても最初の一冊目の内容はほとんどザルで残っていない。
聴覚処理がいちじるしく弱いので、一回目に聞いたことは覚えていないのが標準仕様だ。
この『マンガでわかる!東大式麻雀 勝つ打ち方入門』も一回目に読んだ時の内容はほとんど覚えていない。
ペンチャンよりもカンチャンという話だけは教室で聞いていたので、そこだけは二回目ということもあり覚えていた。
覚えられなくても、とりあえずは読んで内容を理解する。
最初はそれで良しとする。
なので、この本が改めて役立つことになるのは、実は二回目以降だった。
初心者の壁は「役」だった
初心者グループで打っていて感じたのは、「役」が頭に入っていない人が多いということだ。
よその教室で習った人はそうなのだ。
とにかく役が分からないまま打っているので、基本的な役ですらいちいち人に確認しながら手作りしている。
この教室が初めてだった私はO先生から、まず最初に役を叩き込まれた。
私は手順を覚えるのは苦手だったが、物の名称を覚えるのは比較的得意だったので、役の名前だけは割りとすぐに頭に入った。
ただし、食い下がり翻数や、めったに出ない役だと細かいところまで覚えられなかったりするが。
それでも役がある程度分かるのと分からないのとでは、手作りを進める上で違いがあった。
少なくとも役に関する質問はしなくても済む。
ADHD脳には少しでも「分からない」負担を減らすことが重要だ。
麻雀の教え方にもタイプがあるようだ。
とりあえず役は「リーチ」「ピンフ」「タンヤオ」だけ覚えて、形だけでも打てるようにして、まずは麻雀というゲームを楽しんでもらうという教え方。
Oさんのように、麻雀は「役」が大事だから、まずは役を徹底して覚えさせるという教え方。
前者ならハードルは低いが、打ちながらどうしても引っ掛かりが出てしまう。
Fさんが「Oさんは教え方が上手なのよ」と言っていた理由が分かった件でもあった。
麻雀の入門書には必ず「役」の一覧が載っている。
最初の一冊目「麻雀入門」にもカラー図解で載っている。
しかし役を覚えるのが目的なら、同シリーズの「役の覚え方入門」は非常に分かりやすかった。
この東大式麻雀入門シリーズの井出洋介先生は、やはり麻雀は「役」が大事と考えているようだ。
表紙(緑色は帯ではない)には「麻雀でいちばん大切な『役』をていねいに解説しました。」と書いてある。
O先生が真っ先に役一覧を突きつけてきたことがよく分かる。
やっぱり「役」を覚えることは避けて通れないのだ。
この本は残念ながら絶版してしまい、現在は中古品でしか入手できなくなってしまった。
(シリーズの中で絵が一番良いのもこの本なのに……)
良書なのにもったいない。
ぜひとも再販していただきたいものだ。池田書店さん!
麻雀は勉強だ 趣味だって勉強だ
今現在、初心者として麻雀を打っていて思うのは、結局強くなるには、麻雀のあらゆることを勉強して頭に叩き込まなければならないということ。
初心者部屋だから、人に聞きながら、本やスマホを見ながら打つことができるが、本来そんなことをしながら打っていたらイカサマなのだ。
ルールと手順、役、麻雀用語……入門者のうちから覚えなければならないことがたくさんある。
初心者から脱出するには、点数計算も覚えなければならない。
趣味だって勉強が必要だ。
でも趣味なら勉強も楽しい!
しかし、コロナ禍制限は本格的に突入した。
実践の麻雀ができなくなり、次に麻雀ができるのはいつになるのか。
何しろ始めたばっかりなのに長期間できなくなったらまた忘れてしまいそうだ。
勉強も無意味に思えてしまう。
いやいや、必ず再開できる時は来る。
その時のためにも勉強しておくのだ。